「8月の家族たち」機能不全家庭の事例として…
「8月の家族たち」レディースデイに観てきました。
父親の失踪によって、集まってきた姉妹、叔母の家族たち。
ざっくり言うとそれぞれ家族親族ほとんど全員が問題を抱えており、それが次々バレていく…という映画でした。
母親のバイオレットは直情的で感情コントロールできず薬に依存し、父親は現実から逃避するため、本の世界を愛しアルコールで感情を紛らわす・・・
娘たちもそれぞれ理想の家庭を築けず、主人公の長女バーバラも完璧主義で苦しみ娘も問題を抱えています。
母親のバイオレットも充分愛されず育っており、バイオレットの妹の家族も問題を抱え・・・。
いわゆる機能不全家庭の連鎖を感じる親族背景だが、酷い虐待があるかというとそこまででもなく、多くの家庭にも隠されているくらいの問題が重なっているようですが、
この家族に流れている、「人を尊重する文化」が全く育たない精神が家庭の機能不全を引き起こしていると感じました。
それは家族の会話の中でバーバラの娘の菜食主義を小馬鹿にしたり、原住民族を差別したり、娘の外見にケチをつけたり、そういうことをネタに笑ったりするシーンに現れています。
家族の中で一人ひとりを尊重する文化が育っていないと、当然子供は他人だけでなく自分も尊重できなくなってしまいます。
自己尊重感のない子供は、自虐的であったり、身近な人を信頼できなくなったり、完璧主義すぎたり、問題から逃避したり、理想が描けなかったり、非行に走ったり、バランスの悪い人生を送ることが多いです。
そこから抜け出すのは、親や親族からの影響ではない、新しい思考回路を身につけていくしか無いのです。
そのために必要なのは、尊敬する人との出会いによる新しい理想の人生のモデルの発見や、読書による新たな思想の獲得です。
どんな生い立ちであろうと、自分の人生は自分で創り上げることができることを、多くの機能不全家庭にそだった若者に知ってもらいたいと思います。